閑話休題⑦ インゲンマメ(隠元豆) と 『cookpad』
Photo by Mujikanen/
トップの写真は家の畑で採れたインゲン豆です。
収穫日は6月21日(日)、収穫量は写真の100倍程でした。小さな6畳半程の家庭菜園なので農家さん程とは比べものになりませんが、日々の食卓を彩る分には十分な収穫量です。
インゲンマメ(隠元豆)について
インゲンマメ(隠元豆)はマメ亜科の一年草で別名をサイトウ(菜豆)、サンドマメ(三度豆)といい、中南米原産で日本全国各地で収穫されますが、主産地は北海道です。関西では1年に3度収穫できることから『さんどまめ』とも呼ばれています。
インゲンマメの中で、主に完熟したものを『いんげん豆』、若取りしたものを『さやいんげん』と言います。
『いんげん豆』と『さやいんげん』
トップの写真のから、実家の家庭菜園で収穫されたインゲンマメは『サーベルいんげん』です。サーベルいんげんはマメ科インゲンマメ属で特徴は鞘が丸く色が濃く鮮やかな緑色をし、食感は筋が少ないことから一般的なサヤインゲンである『ドジョウインゲン』よりも食べやすくなっています。
主な輸入先はオマーンとメキシコです。日本でのサヤインゲンの収穫量、出荷量、作付面積は1987年を最大とし2012年には作付面積がほぼ半減し、収穫量は1/2に、出荷量は2/5に減っています。インゲンマメの生産量減少には収益性の低さ、輸入品との競合、需要の減少が上げられ、インゲンマメ自体の消費量は約40年前に比べて52%減少しており原因として消費用途が限られることが上げられます。
Cook pad
実家の家庭菜園で収穫されたインゲンマメの調理も、自身の料理レシピ不足からインゲン豆の白和え、天麩羅、炒め物しか調理法が思い浮かばず、鮮やかな緑色で毎日の食卓に彩りを与えてくれてはいるものの食べ飽きてしまい、ついクックパッドに手を伸ばしてキーワードを打ち込むと、そこには19,617品目の調理方法が紹介されていました。
調理方法が単純に19,617品目というのは凄い数です。中には似たような調理方法もありますが、投稿されているユーザーの方々のアイデアあふれる調理方法には感心するばかりで自身の発想力のなさに失笑しました。インゲンだけで作れるレシピも164品目あり、3品目しか頭に思い浮かばなかった自身とは大きな違いです。
クックパッドの凄いところ
クックパッドの凄いところは、そのレシピの再現性にあります。飲食店で勤務された経験のある方には馴染み深い言葉だとは思いますが、再現性のないレシピは万人に対して商品のテーマとなる味、見た目を伝えることが出来ず、調理方法の確立も出来ないことからタダの自己満足に陥っていまいます。対して再現性のあるレシピは万人が標準化されたレシピ(マニュアル)通りの調理工程を辿れば誰でも同様の料理が作れるところにあります。
再現性とはある事象を、それを成り立たせていると考えられる要素、要因に還元し、同じ要素、要因を条件として整えるとまったく同様の事象が再現される性質を備えていることを指します。
飲食店でのCQSのQにあたるのがこのレシピの再現性の部分です。
Q (クオリティー)にあたるのが商品の品質部分について、
C (クレンリネス)は店内の清掃について、
S (サービス)はそのお店全体のサービスを表しています。
チェーン飲食店を含む大多数の飲食店では各商品毎にそれぞれの材料と調理工程が写真を添えて一枚の紙にまとめられています。クックパッドはその手順をソーシャルメディアの中に持ち込んだ事です。
クックパッドのなかでも『つくれぽ』はレシピ投稿者とは違う人物がそのレシピの再現性を保証する役割を果たす事にあります。レシピの人気バロメータの1つであり、つくれぽの数の多いレシピほどレシピ自体の標準化に成功している事を示しています。
つくれぽ1000人超えレシピなどは、飲食店のアルバイト1000人が再現性のあるレシピを作ることに成功したとほぼ同じ意味と捉える事が出来、レシピ作成者の励みにもなります。また、スマートフォンが普及した影響でクックパッドのレシピ数が2011年の100万品から4年で200万品に増えていることはそれだけクックパッドが支持されている事の証です。
クックパッドの影響
クックパッドの月間ユーザー数は2014年11月の時点で全世界6000万人を超えています。日本国内では5000万人で日本国民の3人に2人はクックパッドを利用している事になります。また、クックパッドは2015年現在でレシピ数が200万品を超えており、各ユーザーがレシピを再現するのに必要な材料の購入量にも影響を与えています。材料の購入量は流通業界や食品メーカーにも影響を与え、『食』を取り巻く環境全体に広がっています。
さらにダイエットの電話カウンセリングやTOB(株式公開買い付け)で結婚サイトと資本・業務提携するなど、その影響は『食』から『生活全体』へ広がり続けています。
クックパッド恐るべしです。
そして、レシピを投稿して下さるユーザーの皆様にはいつもお世話になっております。
食卓に緑の彩りを与える『インゲンマメライフ』はクックパッドの助けを借りて後1週間は続きます。