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発見と簡単な記録

捨てる勇気⑧ SOEXグループ

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Photo by SOEX GROUP 

 

UNIQLOH&Mの両企業ともに大量の古着を回収してくれているのは嬉しい限りの事なんですが、回収された古着はどういう経路を辿ってどこに行くのか?

少し気になったので調べてみました。

 

2014年2月26日のNHKニュースでスイス系外資企業のアイコジャパン(I:COLLECT社の日本法人)が取り上げられています。

 

www.youtube.com

I:COLLECT社は世界的リサイクル企業のSOEXグループの一つです。

 

 

www.soexgroup.de

 

1977年にドイツで誕生したSOEX社は創業から10数年をかけてヨーロッパ、南米、中東に取引範囲を拡大し、1993年に使用済み繊維製品の回収と輸送を専門に行うEFIBA社を買収後、1994年に欧州リサイクルカンパニー(ERC)社を買収しドイツ市場からイギリス市場へとサービスを拡大していきました。

1997年にドイツ内に世界最大の繊維の仕分けとリサイクルを目的とした施設を建設し繊維リサイクル企業のグローバルマーケットリーダーになります。2000年には全世界70カ国以上で製品の販売をするまでになりました。

2006年にアメリカにてドイツ同様に繊維の仕分けとリサイクルを目的とした工場を創業し事業を確立させます。2009年に同グループはI:COLLECT社を創業します。

I:COLLECT社は回収した中古繊維製品を自社工場に運び、IT技術と大規模化による低コスト化で400以上の基準に応じて仕分け、東欧・アフリカなどの世界70カ国に出荷・販売されます。

 

I:COLLECT社の日本法人

 

H&Mでは古着の回収までを行い、回収された古着はいったん茨城県つくば市の倉庫に運ばれます。その後、世界4つの自社工場(アメリカ、ドイツ、ドバイ、インド)に運ばれ仕分けされ世界各国(主に途上国)に出荷・販売されます。

企業であるH&Mでは納品に来たトラックでそのまま回収してくれるシステムにより古着の輸送コストが抑えられます。これに対しリサイクルに対して温度差のある各自治体では回収の際に回収員を配置しトラックの運送料も税金で負担しています。

古着の回収と引き換えに貰えるクーポン券で消費者は買い物が出来る分、今までのリサイクル業者に持っていくのとはまた違った価値があるかもしれません。

回収された古着は最終的に他国に渡ります。他国の方は今まで知らなかったブランドの服を着て、それを着て育った子供たちは大人になった時にその企業名は一種のブランドとして、それは私がまだ子供だった時にジーンズと言えばLevi'sと勝手に思い込んでいたのと同じ様に子供たちの思い出に記憶されると思います。

 

各企業としては、まだ市場として開拓しきれていない途上国に自社ブランドを宣伝する良い機会となり、もはやファストファッションではブランド付加価値で他社に対して優位性が確立しにくくなった代わりにお客様に店頭へ足を運んで貰う手段として、この様なリサイクルを通じた取り組みが広がっていくことでしょう。

 

 

流通販路の透明化が新たなブランド価値に繋がる時代が来るかもしれませんね。

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